両方ともに戦死した。
だから、僕はじいちゃんを知らない。
僕にとっての「じいちゃん」は
自宅の隣に住んでいたじいちゃんだ。
もちろん、血縁関係はない。
我が家に毎日もらい湯に来ていた。
代わりに、広大な畑の一部を使わせて
もらったり、農産物をもらっていた。
持ちつ持たれつの家族的付き合いだった
このじいちゃんはギャンブル狂で
周囲から恐れられていた(ーー;)
何をするかわからない危険な男だった。
一番好きなギャンブルはパチンコで
年金をもらっていても、一日¥3000と
予算を決めて毎日通っていた。
大学生になって、じいちゃんと会うと
必ず煙草を勧められた。
僕が吸うと、とても嬉しそうに笑った。
じいちゃんは「燻製ではないのか?」
と疑いたくなるほど、煙草を吸っていた
でも、肺癌で死ななかった。
元大工さんのじいちゃんは、
住んでいる家を自分で作ったツワモノだ
この部分だけは尊敬していた。
中学時代に木工の宿題が出ると
じいちゃんに相談に行った。
他の人には絶対に触らせなかった
大工道具を僕には使わせてくれた。
じいちゃんは、色々な話をしてくれた。
でも、男尊女卑的な話題が多かった。
明治生まれは仕方ないなぁと聞いていた
じいちゃんの奥さんが亡くなった時
「お前が預かってくれ!」と言って
箪笥を二人で運び出した。
呼吸が合い、重い箪笥が上手く運べた。
早朝、婆さんに叱られたと言って
もう一度運び直した。
じいちゃんは、人の悪口を言わなかった
でも、みんなはじいちゃんを悪く言った
そんな愛すべき存在だった。
いまでも年に数回夢の中で、
じいちゃんと話をする(*^^*)
僕の話を聞いて、呆れ返っている。