僕の頭の中~文房具ライターの秘密~

文房具ライター:猪口文啓の頭の中(考えたこと、考えていたこと、秘密にしていたことを紹介します)

毎日の「ささやかな幸せ」を実感する方法、あります!

出かける前には恒例の「ハイタッチ」をします。

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僕もなんと50歳になった。4歳年下の嫁さんと、長男21歳(大学生)長女19歳(大学生)次女17歳(高校生)の5人家族だ。子供たちは下宿したり、留学したり、女子会で焼肉を食べにいったりして自由に暮らしている。うらやましい限りだ。

こんな家族構成ではあるが、いまだに延々と行っている儀式がある。それは僕が出かける前の「ハイタッチ」だ。そろそろ嫌がる年頃に来たかな?と思ったが、それも過ぎたみたいだ(笑)依然として出かける前にいるメンバー全員とパチンとやっていく。

娘の友達に言わせれば「おぞましいほど気持ち悪い行為」だそうだ。その子は父親と口もきかないとのこと。いつごろから始めたのかは覚えていないが、子供たちが小さい時には握手したり、ハグしたりしていた。それが簡素化されたものだと思う。

ここ数年で、僕にとって意味合いが大きく変化したので書いておきたい。

「異常ですから、検査してみましょう」

会社の健康診断で引っ掛かった。不整脈だった。異常ということは薄々知っていた。健康診断で引っ掛かるような度合いになったら、もう終わりだと長い時間をかけて観念してきたので、それほどのショックもなかった。ただ寂しかった。

子供の時に主治医の先生に「おまえの体はこうなっとるから気をつけろ!」と言われてきた。その話は結構間違っていたけど、一部は合ってもいた。とても長くて辛い検査が始まった。何度もこんな辛いなら死んだ方がましかも・・・とか思った。

頭を固定されて手術室に入っていく前に、親父とお袋も含めて家族全員の手を握らせてもらった。「もう最後かも知れんでな」と笑いながら僕は言ったが、そうなるかも知れないと思っていた。皆さんの期待を裏切って申し訳ないが、まだ生きている(笑)

大事な事は何だろう?

家族と握手をしていて、長男のバットばかり振っている硬い手、長女と次女の柔らかい手、嫁さんのいつもの手、両親の手に夢を見ているのではないかと思うくらい情報が流れ込んできた。こんな感覚は初めてだった。大事にしなくちゃと思ったんだろう。

家族なので問題ないと思うが、特に手などの体の一部に触れると「情報」が驚くほど流入してくる。それもコミュニケーションだと思う。人生は淡々と続いて行くが、ある日非常に淡泊に途切れてしまうことは先人たちが証明済みである。

今日もまた「ハイタッチ」をして出かけることになると思うが、僕の願いが込められている。この薄氷の上を歩いているような幸せがいつまでも続きますように、という願いだ。8月10日だから、いつも考えないようなことを考えてしまいました。