僕の頭の中~文房具ライターの秘密~

文房具ライター:猪口文啓の頭の中(考えたこと、考えていたこと、秘密にしていたことを紹介します)

『脳梗塞(のうこうそく)』って、なんでしょう?

人間ドックの再検査に行きました。

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もしかして、結構深刻な状態ではないの?

今日は岡崎市民病院に行って来ました。この病院は岡崎市でも格上の病院で、民間病院で手に負えないとここに回される。そういう僕も紹介状を書いてもらって予約してきたのだ。脳の血管に未破裂動脈瘤があるとのこと・・・え?

僕はこの文字でかなりビビってしまった。未破裂ということは、まだ破裂していないけど、いずれ破裂するってことですよね?それいつなんですか?ちょっと待ってくださいよ。色々こっちにも都合があって、やらなきゃいけないこともあるんですよね。

そんなモヤモヤをかかえたまま診察を受けたんですが、結果は「シロ」、全く問題ありませんでした。一体なんだったんだろう?でも、自分の脳内の血管を走り具合をくまなく見るという機会に恵まれてラッキーでした。眼球はグロかったですけどね。

脳梗塞って、いったい何?

先生が最後に「大丈夫です!脳梗塞もありませんよ!」と言ってくれたんですが、そもそも『脳梗塞(のうこうそく)』って、あるとかないとかという次元のものなのか?この梗塞(こうそく)って何なのか?拘束かと思っていた僕には新しいモヤモヤが・・・

ということで、脳梗塞について調べてみました。

そもそも『脳梗塞』とは・・・

脳梗塞とは、脳の血管が詰まったり何らかの原因で脳の血のめぐりが正常の5分の1から10分の1くらいに低下し、脳組織が酸素欠乏や栄養不足に陥り、その状態がある程度の時間続いた結果、その部位の脳組織が壊死えし(梗塞)してしまったものをいいます。

そうか・・・梗塞(こうそく)とは壊死状態を言うんだ。ということは、今日先生が「脳梗塞もないですよ」と言ったのは「脳は死んでないですよ!」と言ってくれたんだ。なるほど、なるほど。死んでなくてよかった!

脳梗塞の分類

この脳梗塞は、以前は脳血栓症のうけっせんしょう(血管が動脈硬化によりだんだん細くなり、最後には詰まってしまう状態)と脳塞栓症のうそくせんしょう(どこかにできた血栓がはがれて、栓子せんしとなって脳に流れてきて詰まる状態)に分けられていました。

しかし最近は予防的な立場からも、また脳梗塞が起きた直後の治療の面からも、脳梗塞を次の3つに分類することが多くなってきました。

(1)アテローム血栓性脳梗塞

脳や頸部けいぶの比較的太い血管の動脈硬化が、加齢、高血圧糖尿病脂質異常症、喫煙などにより起こり、その部位で血管が詰まってしまったり、血流が悪くなったり、またはそこにできた血栓がはがれて流れていき、さらに先端の脳の血管の一部に詰まってしまう状態です。

(2)心原性脳塞栓症しんげんせいのうそくせんしょう

心房細動しんぼうさいどう心臓弁膜症しんぞうべんまくしょう心筋梗塞しんきんこうそくなどのために心臓のなかに血栓ができて、それが脳に流れてきて詰まった状態です。

(3)ラクナ梗塞

主に加齢や高血圧などが原因で、脳の深部にある直径が1mmの2分の1~3分の1くらいの細い血管が詰まり、その結果直径が15mm以下の小さな脳梗塞ができた状態です。

そもそも、どうして脳梗塞になるのか?その原因は?

脳梗塞が起きやすいのは高齢者です。また男性に多いのですが、他の危険因子である高血圧糖尿病脂質異常症、心臓病、ストレス、喫煙、大量飲酒、脱水、肥満などは、いずれもいわゆる生活習慣に関係したものです。

脳梗塞の予防はまず生活習慣を正し、かかりつけ医の指導に従って、治療すべき生活習慣病を早めに治すように努力することが必要です。

 

煙草も止めたし、お酒も止めたので、後はストレスと肥満です。頑張ります。

脳梗塞の症状の現れ方

脳梗塞の典型的な症状には、意識障害、片麻痺かたまひ(片方の手足の麻痺。時には片側の手あるいは足だけ動かなくなる単麻痺もある。両方の手足が全部動かなくなった状態は四肢麻痺ししまひと呼ぶ)、片側の手足や顔面の感覚障害、言語障害、失語症しつごしょう(考えても言葉が出てこなかったり、相手の言うことが聞こえても理解できない状態)などがあります。

ほかにも健忘症けんぼうしょう同名性半盲どうめいせいはんもう(両眼とも視野の半分だけが見えなくなる状態)、複視(物が二重に見える)、ふらつき、嚥下えんげ障害などだけのこともあります。

健忘症・・・最近、色々覚えられないけど大丈夫かしら?

脳梗塞の治療方法

発症したばかりの脳梗塞の治療は、内科的な薬物療法が主体になります。脳外科の手術が超急性期に有効なのは、小脳という部分の大きな梗塞や、大脳全体が梗塞のためぱんぱんにふくれ上がって、生命の危険がある時だけです。

治療薬には脳のむくみをとる薬(抗脳浮腫薬こうのうふしゅやく)、血栓を溶かす薬(t‐PA、コラム)、抗血小板薬こうけつしょうばんやくや抗血栓薬(できた血栓がさらに心臓側に向かって延びてくるのを防いだり、再発を防ぐ薬)、脳保護薬(フリーラジカルなどの有害物質を除去する薬)などがありますが、これらの使い方は専門の医師にまかせておけばよいでしょう。

今は、設備の整った専門病院にかなり早期に入院した患者さんでは、脳梗塞発作そのもので亡くなる人は10%以下になりました。発作を起こした人のだいたい45%くらいが完全に社会復帰しています。残りの人は残念ながら寝たきりになったり車椅子の生活を余儀なくされたり、何らかの後遺症で悩むことになります。

しかし昔は脳卒中は3分の1の人が亡くなり、3分の1の人が重い後遺症で悩まされるといわれていましたから、それに比べればかなりよくなっているといえます。ただし亡くならなくても発症後1年以内に10人に1人弱の人が再発を起こしています。再発すると後遺症をもっと強く残したり、寝たきり、認知症などの原因にもなります。

再発の予防には危険因子をあらためて十分治療することと、抗血小板薬(アスピリン、クロピドグレル、チクロピジン、シロスタゾールなど)を毎日服用することが基本になります。なお、心原性脳塞栓症の再発予防には、抗血小板薬よりも抗凝固薬こうぎょうこやく(ワルファリン)などをすすめます。そのため、脳梗塞の細かい病型までをしっかりと診断することが必要なのです。

いやいや、いろいろ勉強になっちゃいましたよ。皆さんも備えあれば憂いなしです。ちょっとした勉強で得た知識が役に立つ日がくるやも知れませんからね。