今日は、僕の母さんの誕生日らしい。僕はあまり興味がないのですぐに忘れる。
娘が「今日は、ばあちゃんの誕生日だ!」と教えてくれた。
お祝いの電話をして点数を稼ぐつもりらしい。娘との点差は開く一方だ。
ばあちゃんこと、僕の母さんは丙午生まれだけあって気が強い。
母さんが怒ると僕は恐ろしくてとりあえず裸足で外に逃げた。
子供の頃はよく怒られて、向かいの家のイチジクの木の上に避難していた。
母さんとのエピソードを書いておく。面白いことも、悲しいこともあった。
貧乏だったので、母さんは自動車の部品工場で働いていた。
今でも工場で働いているおばちゃんを見ると話しかけたくなる(^^)
母さんは僕に勉強させて立派な人になって欲しかったらしい。
算盤、習字、柔道、剣道、英語、ピアノを習わせて満足していた。
残念ながらその期待には応えられず、普通のおじさんになった。
中でも一番困っていたのは「ピアノ」だった。僕には合わなかった。
いつもピアノを習いに行く振りをして、あぜ道で寝ていた。
それがばれて、木の棒で殴られた。頭を叩かれると本当に痛かった。
僕は大きな亀を飼っていた。食欲旺盛で自慢のペットだった。
弟が肺炎にかかった時に、「この亀のせいだ!」と言い出した。
そんなことがあるはずないと抵抗したが、目つきが違っていた。
僕は泣く泣くこの亀を池に逃がした。
弟の肺炎が完治すると、「あの亀を逃がしたから病気が治った」と
周囲に吹聴したが僕は騙されなかった。未だにうらんでいる。
ある日、弟とかくれんぼをしていて、三面鏡を倒して破壊してしまった。
殺されると思って、弟と二人で泣いていた。「鏡は女の命」みたいな
ことを言われていたからだ。三面鏡が倒れるところをまだ夢に見る。
母さんが帰ってきて、三面鏡を見たが怒らなかった・・・
どうして怒らないのか聞いてみると、「壊れたものは仕方ない」からだそうだ。
永遠にこういう人だと良いなぁ~と思ったが長くは続かなかった。
母さんは今日で72歳になったんだそうだ。先ほど電話して確認した。
この勢いでまだまだ生きると思うが、
親孝行をしたいと思う。何をしたらいいか、わからないが・・・